南 郁夫の野球観察日記(197)オリックスvs日本ハム、今季京セラ初観察の結末は!?
2025年4月19日 (文/南 郁夫、写真/Yasutomo)
マモさんオリックスは、誰もが驚く開幕ダッシュに成功。4月も下旬になろうとしているのに痛快に「首位」を走っている。V3のときでも、こんな出足はなかったはず。前回コラムで懸念したV3戦士たちが軒並み復調の気配を見せ、加えて龍馬様が本領を発揮している上に新戦力も躍動!と・・なんだか、だまされているような気分。誰が?なんのために?
チームの雰囲気が変わったのかいな?そこんとこはやっぱり現地で感じないとわからんしょ、てわけで、京セラに腰の重い観察者もようやく、2025年初出動だ。遅い?遅いか。4月18日(金)日本ハム・ファイターズとの「首位攻防初戦!」が、今シーズン初観察である。
というわけで球場に到着。近年「Champion」ロゴを掲げ続けてきたエントランス横の壁は、な、なんもなしっ。チャンピオンちゃうしな。
その代わり、ショップの奥にはこんなコーナーがあり、過去を懐かしむことはできる趣向だ。そんなこともありました。
で。試合前のショップには多くの人が詰めかけ、グッズが飛ぶように売れていた。最近、すごいなあ。今年の目玉の「ペンライト」は試合開始1時間前ですでに売り切れ寸前!私は協調性を持ち合わせておりませんので買わないが(買えよ)、これ、自動的にいろんな色で点滅したりして、持ってると楽しそうではあった。将来、なんらかのテクノロジーで家でテレビ観戦中にも点滅すんなら、買おうかな。(買えよ)
で。座席に着くと、ちょうどオリックスがシートノック中。昨年はこれがなくて残念だったのだが、私はノック見てるだけで幸福になれる体質なので嬉しい。そういや数日前にも京セラに来てた専属カメラマンのレポートでは、ノックを安達コーチがやっていて、ノッカーの難関「最後のキャッチャーフライ」を複数回失敗して打ちひしがれていたそうだったが・・(写真は4月15日)
あれ?今日のノッカーは松井コーチになってて、しかもキャッチャーフライを1回で決めているじょ。あだっちゃん、懲罰交代?知らんけど。
さて。試合の方はみなさんご存知のように、若月のセンターオーバーでサヨナラ勝ちという、初観戦でいきなり劇的な結末になったわけだが。(私、持ってるんでっ)
勝利を呼び込んだ最大のヒーローは、間違いなく新加入の九里亜蓮であったろう。もう何年もオリックスでエースを張ってきたかのような気迫みなぎるピッチングには(九里自身の目のように)目を見張るものがあった。
実はここ数試合、急激に得点力が低下して苦戦していたオリックス。開幕ダッシュに1年分の打力を使うてしもうたんか?の疑念広まる中、この日も決定打が出ない。それを我慢して我慢して1-1で同点の重苦しい試合を投げ切った九里の「鬼のスプリットチェンジ」は、京セラの大観衆(平日なのに)に熱い興奮を与え続けたのである。
「かっ」と目を見開いてすごいストレートを投げ込んでるように見えて、ほぼ全てが変化球。九里亜蓮は「炎の変化球投手」である。ちょっとだけ、そこは笑える。
とにかく。ファンの大声援をバックに、100球を超えても決然と最終回のマウンドに登る九里の姿に私は震えたし、見事に投げ切ったあと味方の攻撃を前のめりで応援する彼の姿はもう「チームリーダー」としか言いようがなかったのである。その熱量が野手に乗り移っての、サヨナラ劇なのだ。まあ死球で足が痛いはずの若月もよく打ったが。
FAでやってきてすぐだからとか、環境の変化が、とか九里には関係なし。いつでもプロとして戦う姿勢と覚悟が、身についている。その波動が新しいチームの野手に伝染し、すでにチームに3勝ももたらしているのが凄い。なかなかそんな選手いない。ありがとうカープ。改めまして、ようこそオリックスへ。よくぞオリックスへ。
キャンプの時点で、さすがにゆるすぎる(笑)チームの雰囲気に彼が「活」を入れたとも、伝え聞く。オリッに「なかったもの」を九里がベンチに注入してくれたのだ。としたら、これが昨年との大きな違いかもしれない。もちろん、マモさんが選手同士で高め合う雰囲気を作っているからだろうけど。
というわけで。初観察だったが、劇的な結末を抜きにしてもチームは躍動していると感じた。少しずつ顔ぶれの違うベンチの雰囲気も闊達で、昨年ちょっとだけ感じた「すんっ」とした雰囲気はなかった。ひょっとしたら、この開幕ダッシュは本物かもしれない。夢じゃないのかもしれない。そんなことが確認できた、初観察であった。いやあ、九里亜蓮、改めてええわあ。
追伸1:龍馬のファールを西川ユニ着た女性がゲットして驚いた。
追伸2:万博効果?で妙に外国人のお客さんが多かった。
追伸3:地下鉄駅のポスターには本当に福田の顔がなかった。
・それでは。専属カメラマンの「インプレー中じゃない」写真をちょこっと!
リプレー検証の結果ホームランとなった瞬間の太田椋と楽しい仲間たち
九里の好投に素晴らしい守備で応えた紅林
ちょっと体形の変わった西川龍馬?(写真は4月15日)
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南 郁夫 (野球観察者・ライター) 通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」ブログ「三者凡退日記」 |
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