スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(160)関学ファイターズ試練のドロー!関西大学戦
2025年10月15日(イラスト・文/T.ANDOH、写真/Azusa Suzuki)
こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
今回は10月13日たけびしスタジアム京都にて開催された、関西学生アメリカンフットボールリーグ第5節、関西学院大学ファイターズと関西大学カイザースの試合模様をお届けします。
関関立の三強がいよいよ相まみえる季節となりました。関西学生アメフトリーグは昨シーズンも、関学・関大・立命館の三校が優勝争いを繰り広げました。
関学ファイターズは、今回の関大戦、そして神戸大学戦をへて、最終戦に立命館大学戦を控えています。
この関西大学戦を制すれば、優勝争いにおいて大きな1勝となる重要な一戦。
本当に負けられない戦いの火蓋が、ここで切って落とされました。
関学ファイターズは校歌「Fight on, KWANSEI」を合唱し、自らを鼓舞します。
キックオフリターンは関西大学。
この日は、なんと先発QB(クォーターバック)に1回生の土居翔和選手を起用。
パスを多用して大きなゲインを狙う攻撃を展開しましたが、その土居選手のパスを関学4回生DB(ディフェンスバック)加藤圭裕選手がキャッチし、インターセプト!
攻守交代した関学は、2回生RB(ランニングバック)永井秀選手の力強いランで大きくゲイン。
最後は4回生RB井上誉之選手がラッシュを抜け、先制のタッチダウンを奪います。
しかし関大もすぐに立て直し、1Q終了間際にロングパスを試みると、2回生WR(ワイドレシーバー)藤田晃成選手がキャッチしてロングゲイン!
2Q開始直後、同シリーズのままエンドゾーンで待つ藤田選手へ鋭いパスが通り、タッチダウン! 同点に追いつきます。
1回生QBが大胆にパスを繰り出し、それを支えるレシーバー陣には2回生・3回生が並ぶ関西大学。
関学との大一番で、下級生たちが躍動しました。
関学のQBは2回生の星野太吾選手。
星野選手もパスでゲインを重ねましたが得点には至らず。
2QはQBサックやスナップミスからのターンオーバーなど、オフェンス面でチャンスを逃す場面もあり苦戦。
前半は7-7のロースコアで折り返します。
3Qは序盤から攻守がめまぐるしく入れ替わりました。
関学QB星野太吾選手がタックルを受けてファンブル、関大がリカバー!
しかし、関大QB土居選手の投じたパスを関学4回生DB東田隆太郎選手が奪い、インターセプト!
激しい攻防の応酬は、両チームが得点チャンスを広げようと全力を尽くしている証拠。
このシリーズから関学のQBは、星野太吾選手の兄・4回生星野秀太選手に交代。
エンドラインに向けたロングパスを試みるも、これも相手ディフェンスに奪われインターセプト。
決定打を欠いたまま、両者無得点で3Qを終えます。
迎えた4Q。
再びQBに戻った星野太吾選手が自らのランでゲインを稼ぐと、4回生WR五十嵐太郎選手へのショートパスが決まり、エンドゾーンへ駆け抜けてタッチダウン!
重く緊迫した試合展開の中、一筋の光が差し込みました。
しかしその直後、関大の攻撃ではタッチダウンこそ免れたものの、エンドゾーンへ積極的にパスを投じる攻勢を見せ、フィールドゴールを決めて追い上げを許します。
関大はランでキャプテン・4回生RB山嵜紀之選手を中心に、パスでは多彩なターゲットへ鋭いボールを投げ分ける印象。
1回生QBの思い切りの良いプレーは、今後の関大戦でも脅威となるでしょう。
追い上げる関大を突き放すべく、関学はランを軸にゲインを重ねます。
タッチダウンには至らなかったものの、フィールドゴールで再び1ポゼッション差にリードを広げました。
残り時間は2分。
ここから関大が怒涛の攻撃を仕掛けます。
土居選手は少しでもヤードを稼ごうとパス中心の攻撃でファーストダウンを重ね、ハーフウェイ付近まで進出。
ここでエースQB・3回生高井法平選手が満を持して登場。
残り1分を切ったところでパスを一本通すと、再び土居選手に交代!
迫り来る残り時間の中、関大は「点を取りたい!」、関学は「抑えたい!」
一秒を刻む攻防が続きました。
そして残り7秒、関大がレッドゾーンへのパスを決め、残り3秒!
襲いかかる関学ディフェンスをかわした土居選手が、エンドゾーンへ向けてパスを放つ!
高めのボールでしたが、そのパスは迷いなく放たれ、エンドゾーンで待ち構えていた藤田晃成選手が見事キャッチ!
残り時間0秒と同時にタッチダウンが決まり、その後のキックも成功して試合が終了しました…。
関西学院大学ファイターズ 17-17 関西大学カイザース
悔しい「引き分け」となりました。
試合後、選手たちは味方のミスを反省し、関大QB土居選手に自由にプレーさせてしまったことを口にしていました。
強敵であることは分かっていたものの、緊迫した最終シリーズで攻撃を許してしまったこと、そして盛り上がる関大応援席をも勢いづかせてしまったことに悔しさがにじみます。
それでも「引き分けで終われたのは救い」と前を向く選手たちもいました。
関大・関学ともに、まだ立命館大戦を控えています。
この試合をしっかりと反省材料にして、残りふたつを勝ってほしい!
そうすれば、まだ優勝の可能性は残されています。
僕自身は、常勝チームのこうした苦しいゲームはたぶん初めてです。
昨年の準決勝、法政大戦の敗戦ともまた違う感情があって、さらに1シーズン前の関関戦も悔しい敗戦だったけど、今回の試合の方が個人的には悔しかったなぁ。
もっと得点を得るチャンスがあった試合なので、より悔しさが残っているのだと思います。
(公式サイト順位表より抜粋)
残るレギュラーシーズンはあと2試合。
第5節終了時点で全勝の立命館大が、すでに3位以上を確定させています。
関学は最終戦で立命館と、関大は次節で立命館と対戦。
この三校すべての試合が順位に影響する終盤戦!
見逃せない試合が続きます。
どんなクライマックスが待っているのか、多くの人に見届けてほしい!
次戦は10月26日の神戸大学レイバンズ戦。
ぜひこの試合にもご注目ください!
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スポーツイラストレーターT.ANDOH
おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。 |
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