スポーツイラストレーターT.ANDOHの「OUTSIDER’s ReCALL」(139)今年も登場!オリっこデーの「カタカナバファローズ」

2025年5月3日(イラスト・文/T.ANDOH)

こんにちは!スポーツイラストレーターのT.ANDOHです。
ゴールデンウィーク前半もロッテ戦を2連勝したわがオリックス・バファローズ!
そのバファローズ戦士の胸には今年も「バファローズ」のカタカナロゴが輝いていました。
この特別ユニフォームは「オリっこデー」というバファローズのゴールデンウィーク企画によって実施されたもの。
こどもの日に合わせたキッズ向けのファンサービス企画として、こどもに合わせて「カタカナ」でチーム名まであしらおうというのは、昨今の各球団の仕掛けるユニークな企画の中でも珍しい試みです。

さすがにユニフォームに「カタカナ」のロゴをあしらうのは、目下のところ他には見られない施策です。
他球団でもキッズデーに合わせた特別ユニフォームでは、背ネームをニックネームで表すものはありますが、いっそチーム名までカタカナにしちゃおうというのは斬新ですね。
昨年はホームユニフォームにメインロゴのあのトゲトゲしたBuffaloesの書体を「バファローズ」にしましたが、今年はサードユニフォームのオーソドックスなブロック体をモチーフにしています。

カタカナ表記をダサくならないようにするのはバランスとか文字の形とか、十分に考慮が施された成果だと思います。
オーソドックスなほど難しいでしょうね。
だから違和感ないどころか、かっこよく仕上げているのは流石のブランディングを感じました。
今年のサードユニフォームの、帽子まで施されたストライプもいい感じでしたね。
オールドスタイルを彷彿するユニフォームデザインも、キッズデーの柔らかさになっていると思います。

そもそもキッズデーと、ニックネームを背ネームに施したユニフォームが登場した起源はメジャーリーグにあります。
メジャーリーグでは、各球団がリトルリーグのユニフォームをイメージしたカラフルな特別ユニフォームを着るイベントがあります。
「メジャーリーガーのみんなも、昔は夢見るこどもたちだった」
というのがコンセプトで、アメリカのリトルリーグでは定番デザインの、袖の切り替えがついたカラフルなユニフォームが登場するのですが、今回のバファローズのストライプが入ったサードユニフォームにこのカタカナの組み合わせってのが、このメジャーのリトルリーグユニフォームにもイメージが少し結びついて、ユーモアのある味わいになっていると思います。
濃紺に金のストライプが強いイメージをもたらしている一方で、ロゴがカタカナになると、オールドスタイル感が増して子供服っぽくもなって、新たな表情を感じられます…。
まぁ偶然かもしれませんけど(笑)。

むかし、ヤクルトにいた秦真司選手が「秦」という字が難しい漢字なので、「こどもにも読めるように」と「はた」とスコアボードに表記をしました。
それに影響されたのかどうかは分からないけど、阪神が「こどもの日」にスコアボードの表記をひらがなにする企画などは見られますよね。
秦選手が「はた」と名乗り出したのが1995年ごろ。
これはイチロー選手とパンチ佐藤選手の登録名変更が大きく影響もしていると思われますし、「カタカナ表記」はじつはオリックスが火付け役なのかもしれません。

新たなイメージを球界に吹き込んだバファローズ。
オリっこデーユニフォームは5月5日からの北海道日本ハム戦でも着用予定。
ゴールデンウィーク後半もぜひ快進撃とともに、印象的にその胸の「バファローズ」を誇示してほしいです。

 

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スポーツイラストレーターT.ANDOH

おもにスポーツを題材にしたイラストやデザインの創作で、スポーツ界の活性に寄与した活動を展開中。
プロ野球やプロバスケBリーグのチーム、選手にイラスト提供。
プロ野球選手には、伏見寅威選手(北海道日本ハムファイターズ)、中川圭太選手(オリックス・バファローズ)にロゴデザイン、イラスト提供中。
名古屋在住にも関わらず20年来のオリックスファンであり、その由来とイラストレーターの起源は神戸にある…!?

 

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