というわけで、9月3日土曜日。「蒼き勇者の閃光」と銘打たれたオリックス・ブレーブス復活ナイトゲーム@ほっともっとフィールド神戸に「勇んで」駆けつけた、私。スタンドは明らかにそれとわかるオールドファンも多数いて、超満員。
結果から言えば、試合開始を遅延させた豪雨の影響で(?)ディクソンが「大乱調」。オリックスがまあ負けた(というか大敗)わけではあるが、相手ファイターズの「寿司パラダイス」レアードの三連発に唖然としたり、T-岡田とナカジのホームランが飛び出したりで騒ぎどころは多々あり、何と言っても懐かしいユニに思い出も止まらずで、しばしば落ちてくる雨もまた楽しきかなの素晴らしい夜となったのである。雨なのに花火上がったし。
は、白状しよう。負けたのに上機嫌なのには、訳がある。
今回の復刻試合の公式球に「80th Annivercery Braves」の特別印字があることを知った私は、それがどうしても、どーうしても欲しかったのだ。8,500円の公式球付き指定席券を出せばもらえるが、それは違う。違うだろう。この試合で座ったのは、ファールボールを取る可能性がゼロとは言えない、1塁側内野指定席。「絶対に!ファールボールを!取るっ!」と、その確率を考えれば「アホか・・」な野望を宣言して、右打者のたんびに他の日常業務ではあり得ない集中力で身構えていた私に奇跡が起こったのは、5回裏。バッターは伊藤光であった。
0-2と追い込んだファイターズ・高梨が投じた3球目を、伊藤がカット。打球は私のはるか上を通り越して、1塁側2階席へ消えた…と思ったその直後、ボールがあっという間に跳ね落ちてきて、なんと間近の椅子(雨で観客が避難していた空席)に「ガツン_ッ」と着弾。幸運にもその椅子の下で「どうぞ」とばかりにピタッと静止したのだ! そして私の同行者が、今まで見たこともない迅速な動きで身をさっと乗り出し、難なくこの貴重な公式球を拾い上げたのである!
試合進行に全く関係なく、優勝が決まったかのように大騒ぎする私と、同行者。半笑いの周囲の観客。本当にファールボールを取ってしまった! 願いは叶う! 雨でも席を立ったらダメやねんで! ていうか、すごくないですか? 狙って取るなんて!
呆然と見つめるボールには、もちろんNPBロゴの下に特別印字。そして、こねた土の跡と、高梨が爪で引っ掻いた跡。そう。公式球は新品じゃダメなんだよなあ。あは。あはは。あは。
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