南 郁夫の野球観察日記(25)
オリックス・バファローズ2017「楽観的すぎる」大展望

2017年2月11日(文/南 郁夫、写真/トモ)



T-岡田選手に会えた正月もとっくの昔話で、球春まであともう少し・・・てかんじが、なんとももどかしい。ちょうどスーパーボール(NFL)が終わった頃が「野球飢餓状態」マックス!な例年であるが、マックスといえばあの「マック鈴木」さんが、オリックス・キャンプ中継の解説をしていて、嬉しかった。私が見た日はあいにく宮崎が雨で、なんと室内練習場の中継。「そんなもん、見ても」と言いながら、すっかり2時間じっと見入ってしまったのココロ。

マックさん、けっこうチーム事情に詳しいし、解説がクレバーかつシニカル。あの独特のゆったりした口調で、「選手生活なんて、正月、キャンプ、シーズン、正月、キャンプ、シーズンのくり返しで、あっという間におしまいですから」とか言っちゃうのだ。キャンプイン当日の病欠が監督の逆鱗に触れ?出遅れた奥浪が頭を丸めたのを見ると、「反省なんですか?あれ。プロ野球やのに、そういうところ? 高校野球で?」と半笑いでコメントしてたのに、笑わされる。

さて。だいたい今年のチーム全貌も把握できたことだし、2017「大展望」ちうのを、やってみようと思う。まだ何も始まっていない、今シーズン。「妄想するなら、今でしょう!」である。「**(主力)選手、今シーズン絶望」情報が入ったり(こらこら)、開幕1週間の結果でしゅんっとなっちゃう前に(こらこら)、今しか見れない夢を見ましょうという、この企画っ。
専門的な分析とやらは各種メディアに任せるとして、野球観察者の「幻覚」におつきあいいただきたい。「見てきたように」2017年オリックスを語りましょうぞ。


■野手編



<2017 主なオーダーと最終成績>
1 駿太#8(中)300. 10本
2 安達#3(遊)300. 5本
3 吉田#34(右)330. 30本
4 T岡田#55(左)350. 40本
5 中島#1(一)270. 15本
6 モレル#4(三)280. 15本
7 ロメロ#9他(指)250. 15本
8 伊藤#22/若月#37(捕)260. 5本 
9 西野#5(二)300. 5本
 
うわあ。やったね!(意味不明)

あぁ私には見える…(なぜか)打撃開眼した駿太が目の覚めるようなクリーンヒットで出て、安達が追っつけてエンドランを決め、はーぱー吉田がすかさずインコースに反応してライトポール際に打ち込み、T-岡田が失投をバックスクリーン右にどっかん。ナカジが右中間に「のんびり」伸びる二塁打、モレルがちょこっとレフト前に打つもナカジ帰ってこれずで1、3塁。で。(見たことないけど)ロメロがロメっと引っ張って左翼線2塁打、に続いて伊藤が得意のセンター前ヒット、西野が冷静に流し打って三遊間ヒット、そして(なぜか)打撃開眼した駿太が・・っって、終わらんがな。

「自分たちがチームを引っ張る」と約束してくれた安達とT-岡田の活躍は疑いようもないとして、ポイント「その1」は、駿太。そのポテンシャルからしてこれまでの打撃成績が「冗談としか思えなかった」彼が突如覚醒し、打ちまくって走りまくる今年である。全イニング出場することでそのセンターの守備力が計り知れない貢献をもたらし、投手たちは何度も助けられ、ハイタッチと。

ポイント「その2」は、はーぱー吉田の本格的ブレイクね。昨年、短期間の出場ながら十分すぎるインパクトを与えた大物ぶりが、体調万全な今年はスパーク。見たこともないスイング、聞いたこともない打球音、目にも止まらない打球速度。とぼけた受け答え。漫画みたいな吉田くんの活躍は、オリックスにとどまらず球界の話題をさらうのだ。イチローがブレイクした94年のような社会現象にまでなった彼の活躍で、球場は沸き返る。

ポイント「その3」は意外にも? 2年目・モレルの飛躍。なぜに残留?と思われる向きも多かったが、私は日本の投手に慣れたら打てると思っていた。なんとなく…だが。幻の2ホームランなど、昨年も「全く期待が持てない」てこともなかったし(薄い根拠)。気楽な打順での今年は、本来の中距離打者として軽打を連発し、たまに長打も打てる厄介な存在として下位打線のキーマンとなるのだ。サードの守備は相変わらず「下手くそ」なので、DHとしての出場も多い。

その他まとめると、キャンプだよりでマックさんも「別人のよう」とコメントしていたナカジ中島の活躍が、ようやく本格化。昨年終盤に突如打ち始めたナカジは、ようやく「空白の2年間」を埋めてライオンズ時代の本来のキレを取り戻す。日米通算記録と日本のプロ野球記録がきっぱり同じ数の、ナカジ! オリックスに一番欠けている「おらおら」キャラが暴れて、今年はチームに活力を与える。

キャッチャーの伊藤と若月は、よりハイレベルの争いになる。そして、憧れの背番号5を背負った西野は、攻守にわたって、全盛期の平野恵ばりの活躍をしてくれるのだ(フェンスに顔からめり込むことはないが) あとはバイプレイヤーとしての大城がうまくチームをサポートし、川端#46、小田#50あたりが控え選手として的確な働きをするのである。

ということで、野手陣全員が「鬼のような」スキルアップを遂げる2017年。
得点力は昨年の倍、とみて良いだろう。わは。わは。わはははは。


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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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