南 郁夫の野球観察日記(68)
新生オリックス、神戸から反撃開始!

2019年5月15日(文/南 郁夫、写真/トモ)



やっぱりオリックスには、神戸の青空が似合う!大型連休明け、令和最初の(すでに死語?)神戸での対楽天3連戦を勝ち越した2019年型オリックスは、鮮烈な印象を私に残した。新緑も眩しく初夏の空気が立ち込める、すこぶる居心地のよい「ボールパーク」で。躍動する新しい息吹を確かに、感じることができたのだ。



そう。新しい息吹である。5月11日(金)の試合は「貧打」のイメージを払拭する夢の4ホームラン(吉田正、T−岡田、西浦、中川)が次々と外野スタンドに吸い込まれて打ち勝ったのだが、西浦と中川はめでたいプロ初ホームラン。12日(土)は7回無失点のK−鈴木をまた見殺し?と思われた終盤に試合をひっくり返す、白崎と山足の連続タイムリー!



熱心なオリッ・ファンでもなければ「だ、誰?」という面々の大活躍で、好調の楽天に連勝したのだから痛快である。若い選手のひたむきさが、結果になってきている。まだまだ噛み合っているとはいえず(投手が好投すれば打線が沈黙の法則…)結果が出ているとは言い難いチーム状況ではあるが、希望の光がある。久しぶりに。

そんなチームの原動力は、ここ3年のドラフト選手が中心。スカウティングがすごいのか、選手層がアレなのか、どっちにせよ「全国の有望アマ選手はオリッに来い!」である。「出れますから、試合に」。「経験のないあなたを即戦力として期待!」はリクルート的にはブラックだが、プロ野球の場合は違う。「グラウンドにはなあ、銭が落ちとるんや!by昭和苦労野球人」

ちなみにここ3年の新加入選手から、現在一軍で活躍中の選手を挙げてみよう。

2018年ドラフト
2位:頓宮(すでに2ホームランと長打力を証明)
3位:荒西(中継ぎ候補として奮闘中)
6位:左澤(貴重な左のブルペンとして一軍定着か)
7位:中川(最後のPL戦士がいきなり大活躍中)



2017年ドラフト
1位:田嶋(故障さえ治れば左のエース最有力)
2位:K−鈴木(本当なら3勝を挙げるべき快投でブレイク中!)
3位:福田(すでにチームキャプテン!)
6位:西浦(20歳でレギュラー獲得のプチ・イチロー)
8位:山足(思い切りの良さで一軍定着の予感ありあり)







2016年ドラフト
1位:山岡(チームの勝ち頭。今シーズンの開幕投手。クールな投球でチームを牽引中)
4位:山本(驚異の才能、絶賛開花中。末恐ろしい… 20歳)
5位:小林(力強い投球でブルペンに必要な戦力となる)
8位:澤田(8回は澤田。パワフルな投球でベンチの信頼を得る)
育成:榊原(ついにプロ入り初勝利の育成出身の若武者。ローテの一角)



すごいっしょ。投手陣の充実が著しいし、野手のレギュラークラスもちらほら。とにかく若い!特に20歳になるかならないかの選手がグラウンドで躍動するのは、実に楽しいものである。今後の彼らの活躍は間違いなく、このチームの未来に繋がる。今後とも彼らのプレイを「辛抱強く」見守ろうではないか。

もちろん、中堅・ベテランもそれに刺激されて頑張る。やっと?大城に中心選手の雰囲気が出てきたし、もちろんT−岡田も若者にレギュラーを奪われたくはないはず。そういう拮抗でチーム力がいい感じに上がってくれれば、最高である。





あとは… なんとなく影が薄い外人選手たちがもうちょっと…なあ。キャラが立ってる楽天の外人を見てると、特にそう思う。陽気なウィーラーみたいなのがいれば、と。それにしてもブラッシュの打撃フォーム、笑うわー。笑った直後、ホームラン打ち込まれて顔が引きつるんやけど…。






ちなみに、新人選手入団発表記者会見のレポートはこちら!
今やすっかりプロの顔になった彼らですが、初めてユニフォームに袖を通し、緊張の面持ちが初々しい!

2018年ドラフト 新人選手入団発表記者会見
http://kobe-kspo.com/sp112.html

2017年ドラフト 新人選手入団発表記者会見
http://kobe-kspo.com/sp084.html




<過去コラム一挙掲載!>

オリックス、元メジャーリーガー、女子野球…ベースボール遊民・南郁夫の野球コラム集。





南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」




Copylight(C)K!SPO All Rights Reserved.