南 郁夫の野球観察日記(31)
交流戦で巻き返し!オリックス6月反攻へ

2017年6月2日(文/南 郁夫、写真/トモ)


厳しいペナントレースの「箸休め」(こらこら)、交流戦がスタート。5月はパ・リーグ列強の前に「寝てんのか?」な大失速をしていたオリックス・バファローズ(以下オリッ)であったが、交流戦に入っていきなり「お友達」のツバメくんを3タテしたのである。目指せ!交流戦のAクラス(優勝じゃないのか)

交流戦直前、衝撃の新マスコット(魚)で私を10分間笑わせたロッテに(まで)負け越したときはどうなるか…と思われたが。ロメロや東明が復帰し、宮崎が息を吹き返して近藤や小林などの若い投手も成長するなど、6月に入ってようやくオリッに追い風が吹いてきたようである。やはり今年のオリッは負けても「しゅんっ」とはならない。by T岡田。



で。えっ? これがヤクルト? セ・リーグにまったく疎い私は、スワローズのビジターユニがこんなことになってるとはまったく知らなかった。が、なかなかライムグリーンが効いていてかっこいい。やはり年に1回見るセ・リーグは新鮮である。

スワローズが「お友達」というのは、なにもチームの実力が「似たようなもん」だからだけではない。オリッの卒業生である坂口と大引、さらには近ちゃん(近藤 一樹)がいてるからである。ついでに言えば大松はいるし成瀬はいるし鵜久森はいるし、ほんとパリ・コレ。



彼らが新天地で中心選手として活躍しているのを見るのは楽しい限り。この3連戦で残念ながら近ちゃんは古巣相手に打ち込まれてしまったが、坂口と大引はまったく衰えを見せずに躍動。ほんの少し複雑な気持ちに…。

坂口が球を見逃がすときにバットをピクッと戻す独特の仕草など見ていると、「あぁ」と郷愁にふけってしまう。彼にはオリッ・ファンからも盛んに声援が飛ぶ。
ところで。私は。移籍直前に坂口を三宮の東門街のケーキ屋で見ました! 一人ではありませんでした! どうでもいいけど。

そんな坂口と大引の後継者である駿太と安達には、先輩以上の成績をあげてほしいと思ってしまうわけだが、この3連戦で光っていたのは駿太である。2戦目には目の覚めるようなサヨナラヒットを放ち、3戦目には決勝押し出し四球を選ぶなど「成長」をアピール。坂口を超えてほしいな。





3戦目に好投したディクソンが娘のナラちゃん(彼の奈良好きが嵩じて命名)とお立ち台に上がったのが、このスワローズ戦の幸福な締めくくり。平和でいいね。勝ったから思うわけだが! この3連戦はなんだか、平和だったのだ。



そう。スワローズというチームがなんだか、平和なのである(「一勝二敗の勝者論」関根潤三の遺伝子か?)。そこもまた、オリッに似ていて親近感キンコンカンなのだ。ファンの皆さんもまた、なんとも平和でゆるくて、いい感じ。熱狂・厭世的あるいは閉鎖的な感じは一切なく、ふつうの生活者でありながらスワローズ・ファンでもあるというスタンスが、いいのだ。



そういえば、かの村上春樹氏も「ゆるい」スワローズのファンで、外野席でヒルトンの二塁打を見た瞬間「小説を書こう」との天啓が降ってきたというのは、有名な話。
東京に住んでいれば私なら間違いなく(Gじゃなく)スワローズファンになるだろう。ゆるいし。つば九郎は間抜けだし。神宮には屋根ないし。

3タテに気を良くしての帰路途中、阪神間では突如猛烈な豪雨襲来!「聞いてないよ〜」と叫んでずぶ濡れで走りながら…
「スワローズファンなら、傘持ってるよな」と、ふと思う。









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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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