南 郁夫の野球観察日記(32)
オリックスファーム、舞洲サブ球場に行ってきた

2017年6月26日(文/南 郁夫)


行ってみよう!と突然思い立ったのである。舞洲に。大好きだった神戸サブ球場からオリックスの二軍が球場(と寮)ごと大阪湾の埋立地・舞洲に移転してしまった今年は、ファームの試合は行けないなあと思っていた。いかんせん。阪神間から心理的に遠いのだ、舞洲って。しかし、総工費30億円の二軍施設建設に踏み切った球団の心意気も見ておかなくちゃな、とも思ってはいた。



そんな、ある平日の午前。球団HPでファーム試合日程をチェックしていた私は、いきなり「舞洲!」と叫んで、車に飛び乗ったのだ。自由すぎる。衝動的すぎる。今回は、そんな舞洲観察日記である。「ちょっと遠いし」と、まだ行ったことのない方の参考になれば幸いだ。専属カメラマンはそんな「いきなり企画」に同行できるわけはなく、今回は私の貧相なスマホ画像でご勘弁いただきたい。

で。あれれ?近いやん。鉄道が通っていないということで、ドライブマイカー♪で勢い込んで出動しの私だが。西宮(鳴尾)から阪神高速湾岸線に乗ってしまえば、ほんの20分くらいで舞洲に着いてしまった。車でUSJに行ったことがある人なら、簡単に行けるだろう。USJ方面の分岐に入ってUSJの反対側にまっすぐ進めば、すぐ舞洲なのだ。ふーん。

んが。車で行く人のためにお伝えしておくと、舞洲で高速を降りて「あ!球場の照明塔を発見!楽勝楽勝♪」と「舞洲ベースボールスタジアム」の方に左折してはならぬのだ。そこには、無人のスタジアムの前で頭から「?」マークを出して私が立っている。私は間違えてそちらに行ってしまったのだ。ファーム試合は、もう少し直進した「舞洲サブ球場」の方で行われているんだってさ。調べない私がアホだが、ややこしい。

で。なんとか、舞洲サブ球場に到着。一瞬迷ったとはいえ、ドライブはおおむね快適であった。駐車場がぴったり隣接しているので、家からドア・トゥ・ドアで球場入り口。ほぼ歩いていない。モータリゼぇーション、である。

当日券1000円也を払って中に入ると、規模的にはまさに神戸サブ。新しいぶん、きれいではあるが。ただし、スタンドはネット裏のみ。椅子はおなじみのプラスチックの長椅子タイプで、ほんと神戸サブそっくり。で、グラウンドを眺めてみると…うーん、視線を大胆にさえぎるぶっとい柱が、ちょっと。ねえ。



平日にもかかわらず、客席はほぼ満員。贔屓の二軍選手のユニを着て応援する人や、原石を発見しようと温かい眼差しで見つめる人などで、場内は熱気にあふれている。望遠カメラを持った女子も、多数。いまどきの二軍選手は、本当に幸福であることよ。

試合が始まってしまえば。「滑り止めスプレーのシュッまで聞こえる」臨場感を満喫できる、ファーム試合ならではの、楽しみが待っている。あぁ、野球の音が聞こえる。





驚いたのが、ちゃんとバックスクリーンにLEDモニターがあって、スタメン発表で選手のイメージ写真が一軍さながらの演出で映し出されたりするところ。通常はスコアとラインアップのフル表示で、それだけでも(神戸サブやあじさい球場に比べれば)びっくりなのに、要所要所で表示が画像に切り替わるのだ。ちと遠目で見るにはちっこいといえば、ちっこいんだけど。

場内ではスタジアムDJが「ずうっと」しゃべっていて、スタンドを歩き回って選手紹介やファンの声などをライブでアナウンスするという、企画。一体感を演出して盛り上げるという意味では、そういうのが好きな人にはいいのかもしれない。私は…変わり者なので。ファームの試合は基本的に「しーん」としてて、たまあにホームランとか出たらスタンドで半眠りだったおじいちゃんが「おぉ」と起きる…みたいなかんじが好きなんだけど。

これからこの球場を体験する方のためにガイドしておくと、舞洲は埋立地ということで、海風は吹きっさらしで太陽光はひたすらダイレクトである(つまりUSJ環境)。球場のどこにも屋根がきっぱりないので、熱中症対策は万全に。球場内に売店はないが、屋台でたこ焼き、かき氷、飲料などは売っている(神戸サブで井川慶も店頭で売っていた「岡本のカレー」はなくなったの?)。ちなみに球場近くにローソンがあって、そこで飲食調達は可能…て神戸と同じやん。ペットボトルの持ち込みはオッケーのようである。

さて。舞洲まで来たのだから、オリックス球団が大盤振る舞いで新設した球団施設の方も見てみよう。サブ球場の外野の向こうに選手寮と室内練習施設が併設されている。Tiger Denと同じよな配置。さすが新築とあって、何もかもが、まぶちいまぶちい。豪華。選手は美しい寮から歩いてすぐ球場に入れるわけで、私は試合開始直前に寮からてくてく歩いて直接ブルペンに入る鈴木投手#68を目撃した。寮生は、サブ球場での試合日は移動ストレス・フリーなのだ。



報道によりますとー。球場や練習場にはビデオカメラが設置されていて、その映像は一軍の首脳陣がタブレットで見ることができるらしい。なんと、上と下がリアルタイムにつながるチーム編成が、実現しているのである。ハード的には。これだけの施設を目の当たりにすると、選手たちは言い訳できないなと思う。若い選手諸君は契約金で高級車など買わずに、体ひとつで入寮してほしい。車がなければ、この陸の孤島では朝から晩まで野球をするしかないから。

ところで、当初の構想では、ファーム公式戦は最初に私が間違えて行った、お隣の「舞洲ベースボールスタジアム」で行うはずだったとか。なんせ、(幻の)大阪五輪仕様のこの球場は、近代的だし天然芝だし収容人員1万人だし、ここで試合をやってくれればもっとゆったり・のんびり優雅にファーム試合が観れてパラダイスなのになと思う。私なら、通う。この球場の現在の管理者は株式会社「大阪ドームシティ」なので、できるはずだが…大人の事情か。

さて、今回は生まれて初めて上陸した舞洲のレポートだったわけだが、最後に衝撃の告白を。私は舞洲をずうっと「まいす」と読むと思っていました。思っておりました。少なからぬ人に「まいす!」「まいす!」とアホな芸人の挨拶のように言ってた気がする。誰も直してくれなかった。ちなみに、このコラム冒頭で「舞洲!」と叫ぶところは、「まいす!」と叫んでいるのだ。

なぜ気がついたかというと、舞洲ベースボールスタジアムの看板にローマ字表記で「MAISHIMA」とあったから。「えっ」と。しかしなあ、地名は難しいとはいえ、ここは人工島でしょ?あとでつける名前なら「舞島」とか分かりやすい漢字を当てろよなあ、と八つ当たり。

とにかく。この人工島の広大なオリックス・バファローズ・ベースボールシティは、オリックス・ファンなら「一見の価値あり」である。見ようによっては、シュールですらある。未見の方は是非、足を運ばれたらと思う。

ではまた。「まいす!」






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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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