南 郁夫の野球観察日記(85)
執念のホームラン!今年のオリックスはひょっとするかも

2021年4月24日 (文/南 郁夫、写真/トモ)



「今年まだ公式戦を観察してないなあ」と思いつつも、よーいどんで逆走したチームのニュースを横目にずるずると大阪に足を向けぬまま、4月も下旬に。さすがにそろそろね、と出かけた4月20日の京セラドーム・対西武3連戦の初戦は、規制のせいだけとも思えぬ「昭和のパ・リーグ」みたいな閑古鳥。かあかあ。西宮球場か?ま、ド平日ですし。

試合は、先発の田嶋くんこの日はパッとせずで、せっかく(珍しく)奪った先制点を簡単に逆転されたり、(珍しく)連打で再逆転したらあっさり追いつかれたり、ゆるい(でも平和な)ムードが漂う場内。若手中心はオリッばかりではなく、西武も投手の20歳上間くん!や初めて見るよな若手ばっかりで、いよいよファーム試合を見ているような、決して嫌いではない雰囲気。

それでも。5回にすっかり貫禄が出てきた「まさたかのパイセン」ラオウ杉本のタイムリーで追いついて、ん?ちょっと今日のオリッは違う?と場内がざわつきだした、6回の裏でした。

大きな意味で「流れが変わる瞬間」って、何にでもありますわな。現場では肌に伝わる、その空気。

吉田正が「その打球」を放った瞬間、それまでなんとなく蛍光灯色に淀んでいた京セラドームのムードが、突如として金色のスポットライトが当てられたように「ぱあっ」と晴れました。その異次元の弾道に、場内の全員が「度肝を抜かれる」音が「ぽんっ」としました。

かの有名な「吉田正尚の“執念”ホームラン」を、私は目撃したのです!

外野上段席(5階席というのはちょっと恥ずかしいからやめましょうね)のオリックス東京応援団の「執念」横断幕を直撃したホームランボールは、なんと!すごい勢いで跳ね返ってグラウンドで弾みました。まさに、まさたかに、目の覚めるようなホームラン。吉田のこの一撃が、チームの勝利への“執念”を高らかに宣言してみせたのです。





それから。全てが変わりました。

この試合でいえば、安達−大城の「たまらん」併殺でピンチを脱したあと、8回に打者一巡の猛攻で6点を奪うという、ファンにとって年に一度のお祭りのような至極のひとときもあり、先発全員安打の二桁得点で大勝。
打者一巡?先発全員安打?二桁得点?それ何語ですか?そんな言葉、忘れてました。


翌日の2戦目はすっかり波に乗った吉田正の2試合連発弾、宗の勝ち越しアーチ、エース山本が8回2失点の好投。



3戦目があの、3点差をひっくり返した「奇跡のサヨナラ劇(Tがやらなきゃ誰がやる!)」です。



西武を三タテ!ですよ。
三タテ?そんな言葉、忘れてました。

2021年の中嶋オリックスには、大いに可能性を感じます。紅林をはじめ、日々成長する若者を見ているのは楽しいですし、彼らによってベテランがベテランらしくなってきたかな?と感じます。何より、ベンチの雰囲気明るいし。工務店の社長みたいな中嶋監督の独特の談話が私は好きです。選手がついてきている雰囲気があります。


もちろんシーズンは始まったばかり。これからいろいろ「浮き沈み沈み」あるでしょうが、流れが変われば「何が起こるかわからない」力はあるぞ、ということを証明できた試合を観れたかなと思います。やはり野球観察は楽しいですね。


……と喜んでたら、え?また緊急事態宣言?無観客?シーズン中止(にしたら阪神ファン怒るだろうな)?はあ?いやはやまったく、************(自粛)。
京セラドーム、この観客の入りなら、十分ソーシャルディスタンスかと。



同調圧力にあっさり屈して意見は言いませんが、20日の観戦で気になったことが、一つ。

観客はマスクもしてちゃんとおとなし〜くしてるのに、ミャンマー国軍みたいに張り切ってる係員がいました。ほんの少し私のマスクがずれてただけで自信たっぷりに注意しに来たり(こっちはメシ食っとんねん、**)、観客が歓声をあげるたびに通路に飛び出し、大げさな身振りで「ダメ、ダメ」と制するパフォーマンスに白けます。官憲体質、あまりいい気はしませんな。(個人の感想です)

で。その係員、人を見る目がないのか(マジメだからね)、一目で「その人だけは、あかん」とわかる、ナニワ金融道みたいなおっさんが携帯電話で話し始めたところに、まっしぐらに突進します。「うわ」と見ていると、「国金や保証協会の追い込みとはワケが違うんじゃ(会話内容:想像)」とか携帯に向かって話してるおっさんの眼前にレッドカードのような紙?みたいなもんを振りかざしたから、もう大変。

瞬時におっさんブチギレて「じゃかあしいんじゃあっ!」で、係員、即刻退却です。「退却するんかい!」と思わず笑ってしまいました。笑うところではないんでしょうけど。必死で無線で助け呼んでる彼もちょっと可哀想やとは思うけど、おっさんも大声で喋ってたワケじゃないしなあ、と感じました。(個人の感想です)

とにかくまあ、「野球の普通の日常」が戻ることを祈りますわん。その気になりゃ、すぐ戻せますけどねえ。あ、これも失言。

とにかく、プロ野球やってる限り、オリックスを追っかけます!


(ロゴマーク入り画像は、オリックス・バファローズ公式Instagramより)




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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」




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