「今年まだ公式戦を観察してないなあ」と思いつつも、よーいどんで逆走したチームのニュースを横目にずるずると大阪に足を向けぬまま、4月も下旬に。さすがにそろそろね、と出かけた4月20日の京セラドーム・対西武3連戦の初戦は、規制のせいだけとも思えぬ「昭和のパ・リーグ」みたいな閑古鳥。かあかあ。西宮球場か?ま、ド平日ですし。
試合は、先発の田嶋くんこの日はパッとせずで、せっかく(珍しく)奪った先制点を簡単に逆転されたり、(珍しく)連打で再逆転したらあっさり追いつかれたり、ゆるい(でも平和な)ムードが漂う場内。若手中心はオリッばかりではなく、西武も投手の20歳上間くん!や初めて見るよな若手ばっかりで、いよいよファーム試合を見ているような、決して嫌いではない雰囲気。
それでも。5回にすっかり貫禄が出てきた「まさたかのパイセン」ラオウ杉本のタイムリーで追いついて、ん?ちょっと今日のオリッは違う?と場内がざわつきだした、6回の裏でした。
大きな意味で「流れが変わる瞬間」って、何にでもありますわな。現場では肌に伝わる、その空気。
吉田正が「その打球」を放った瞬間、それまでなんとなく蛍光灯色に淀んでいた京セラドームのムードが、突如として金色のスポットライトが当てられたように「ぱあっ」と晴れました。その異次元の弾道に、場内の全員が「度肝を抜かれる」音が「ぽんっ」としました。
かの有名な「吉田正尚の“執念”ホームラン」を、私は目撃したのです!
外野上段席(5階席というのはちょっと恥ずかしいからやめましょうね)のオリックス東京応援団の「執念」横断幕を直撃したホームランボールは、なんと!すごい勢いで跳ね返ってグラウンドで弾みました。まさに、まさたかに、目の覚めるようなホームラン。吉田のこの一撃が、チームの勝利への“執念”を高らかに宣言してみせたのです。
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