南 郁夫の野球観察日記(77)
祝・開幕決定! 特別コラム「コロナと野球」

2020年5月27日 (文/南 郁夫)



なんという2020年であろうか。
まさに球春!というタイミングで新型コロナウイルス(いわゆるコロナ禍)が世界を覆いつくし、球音を我々から奪ってから、早2カ月あまり。もう半袖になろうかとしているこの季節に野球が行われていないなんて、あるはずのないことが起こってしまった。

もう今年は中止? という声も聞こえ始めたなか、ついにNPBは6月19日の開幕を発表。ただし、無観客で。
現場野球主義な私にとってはそれでは開幕していないと同義なのだが、そこはまあ、少なくとも開幕するという事実を喜ぶべきなのだろう。いつまでも無観客なはずはないだろうしっ。

遅れましたが、コロナ自粛期間中、皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか?
直接にせよ間接にせよ影響のあった方には、心よりお見舞い申し上げます。

私はといえば、もとより在宅仕事。なんでもネットで済ますし、夜の街は無縁だし、カラオケ、パチンコ興味なし、趣味は散歩という人畜無害ぶりで、自粛対応型人間。自粛期間中も個人的に特に困ったことはなかった(震災時と異なりライフラインも食料も大丈夫だったし)。



でもなあ。球場に行けないことだけは、辛かった。これほど辛いとはね、と思うほど辛かった。
今年の「ほっともっと神戸」のシーズンシートを手に入れたというのに(どうなる?)。

あぁ、空にこだまする打球音、疾走するスパイクの音、ファールボールへの観客のざわめき、守備につく選手のちょっとした仕草…。
勝った負けたなんてどうでもいい。私はただ、あの球場の入場ゲートを小走りに駆け上がりたい。そして天然芝の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、ただただ野球の光景を観察したいのである。


この状況で、どんな形で開幕するのか現時点(5月27日)ではわからないが、私の「2020 NPB特別シーズン」案はこうだった。

・開催球場は野外(宮城、神宮、横浜、甲子園、神戸、広島)のみ
・メジャーみたいに東西リーグ分けして移動を減らす
・もちろん観客入れる(収容人員の6割くらい)
・組織的応援はなし
・選手・監督・コーチ・職員・ファン全員「アベノマスク」着用(←ウソ)

この案でぜっんぜん困らないんですけど。ずっとこれでもいいんですけど。

さて、今回のコロナ禍でわかったのは…
野球のある日常ってのが「よもや」の原因であっけなく失われてしまうってこと。一難去ったとしても、この手のことには先の保証はないし。「まぁ、そんなものか」ということである。教訓的な話ではない。そんなものなのである。
次に球場に行くときは、ちょっとだけ丁寧に、野球を観察するだろうなと思う。

で。皆さんはこの野球レス期間をどのように過ごされたのだろうか? 球団や選手が発信するSNSチェック? 野球ゲームで妄想ペナントレース?
オリックス球団広報の仁藤さんたちは、取材が規制される中、工夫を凝らしてチームの情報を発信していましたね。
私はといえば、まあYouTubeでいろいろ探すぐらいであった。膨大な野球動画が上がっているが、やはりMLBの動画は2次元でも伝わってくる熱量が半端なくてハマった。なんでもないレギュラーシーズン試合(メッツ対マーリンズのような)の丸々1試合動画なんてのもあり、ぼうっと見ていたら随分慰められた。

とにかく。いろんな困難を乗り越えて、やっと野球シーズンが始まろうとしているのだ。関係者の苦労はいかばかりだろうか。

特別な思いで、今年は野球を観察したいと思う。
球場でのマスク着用は(息苦しいので)避けたいが、私はこのようなマスク持参で球場に馳せ参じる所存です!






こんな時だからこそ!
恒例 オリックス・バファローズ2020「超楽観的」展望
https://kobe-kspo.com/sp125.html

グリーンスタジアム神戸に。行こっ!
https://kobe-kspo.com/sp006.html


<過去コラム一挙掲載!>

オリックス、元メジャーリーガー、女子野球…ベースボール遊民・南郁夫の野球コラム集。





南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」




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