いまだに誰にも同意されたことがありませんが、私はWBCに興味がありません。そもそも野球という牧歌的なスポーツは国際大会に向かないと思うし、選手が醸し出すプロにあるまじき必死こいた雰囲気やそれを煽るメディアの幼稚な盛り上げが、気に入りません。あ、また友達が減っていく音がします。…もともといません。
以下のコラムはイチローの決勝ヒットで語り継がれているそうな2009年のWBC(3月に開催:オリッからの出場者ゼロ)の大騒動を横目に、いそいそと神戸サブ球場に出かけたときの日記です。みなさん耳にイカができるほど聞かされたと思いますが、グリーンスタジアム神戸が私の最愛の球場なわけです。が、同じくらい神戸サブ球場も愛しておりました。
グリーンスタジアムから単調な歩道をてくてく歩くこと約10分(最後の地味な坂道がけっこう辛い)のところに、野球の小楽園があります。実はグリーンスタジアムよりスタンドからの眺望が良いこの球場は、何しろ気楽で開放的な雰囲気が最高でした。すでにチームが大阪に本格移転していたこの年、一軍の開幕はもちろんドーム。まだ舞洲はなく、辛うじてファームは神戸で試合やってたんですねえ。
平野佳寿がひょろっとしてて、抑えに回る前の話です。
「浪速のゴジラ」岡田はまだTではありませんでした。
「WBCより神戸サブ!」
2009年3月27日@神戸サプ休場
国を挙げてのWBCの「感動と熱狂」を薄目でやりすごし、私にとっての野球が、ようやく開幕する。2009年のシーズン開幕前に初めて野球を楽しむべき場所は、愛すべき「神戸サブ」球場に決まりだ。教育リーグの練習試合であるが、そんなのはどうでも良い。
もうサーパスですらなくなった「オリッ二軍」たちのお相手は、今年から四国・九州アイランドリーグとなった独立リーグからお越しの「香川オリーブガイナーズ」の皆さんだー。
ちなみに「ガイナー」とは香川の方言で「強い」てことだそう。チーム名が形容詞だぞー、まいったか。オリックスもバファローズやめて「強いでズ」に改名だ。で、香川の監督はあの元カープで元祖・打撃の天才の西田真二だぞ。プロ初安打は江川卓からだぞ。
んで。WBC中継には興味ないのに、二軍の練習試合に向かうというのに総合運動公園駅から「早足になっちゃってる」のは、どうなんだ?私。問題あり?いえいえ。ちと試合開始に遅れちゃったっていうのもあるけど、企業の倉庫などが整然と並んだ先にある「サブ球場」に近づくにつれて聞こえてくる、野球選手の掛け声や打球音が私を早足にさせるのよ。
あーやっぱり、わくわくするやないかー。久々にこういうの聞くとね。
で。球場に入るなりマウンド上に平野佳寿が目に飛び込んできて、小躍り。ヤバい人か!調整登板なんだね、一軍の平野が。独特の角度で昆虫のように曲がる長い手足を操って、昨シーズンをケガで棒に振ってた平野がグラウンドに帰ってきたのだ。
|