ついにイチローが日米通算安打数で、ピート・ローズ超え。マスコミがつまらない騒ぎ方をしてケチが付くのが残念だが、問答無用のMLB通算3000本も時間の問題であろう。我々神戸のファンの前から姿を消してから、イチローはメジャーでほぼ3000本もヒットを積み上げているのだ。なんという、男であろうか。
いまだにそのプレイの質とスピードは、オリックス時代とまったく変わらない。なんだか、やすやすと記録を作っているようにも見える。がしかし、メモリアルヒットで二塁に駆け込んだイチローが、敵地観衆のスタンディングオベーションに応えてヘルメットを脱いだときに、我々は「はっ」とさせられるのだ。
その「白髪」は残酷な時の流れを感じさせ、そして彼がそれをものともせずに日々成し遂げてきたことの凄みを示している。本当に、なんという男であろうか。
イチローはいまだに史上最高級の野球選手である。しかし考えてみてほしい。我々は、イチローを失ったのだ。しょうがないことだが。イチローの素晴らしい記録を記念して、今回は私の古いコラムを紹介したい。2001年4月、イチローがマリナーズに入団したときにしたためた、喪失感あふれる一編である。
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