南 郁夫の野球観察日記(6)
祝! イチロー、日米通算4257安打達成!

2016年6月16日(文/南 郁夫)



ついにイチローが日米通算安打数で、ピート・ローズ超え。マスコミがつまらない騒ぎ方をしてケチが付くのが残念だが、問答無用のMLB通算3000本も時間の問題であろう。我々神戸のファンの前から姿を消してから、イチローはメジャーでほぼ3000本もヒットを積み上げているのだ。なんという、男であろうか。

いまだにそのプレイの質とスピードは、オリックス時代とまったく変わらない。なんだか、やすやすと記録を作っているようにも見える。がしかし、メモリアルヒットで二塁に駆け込んだイチローが、敵地観衆のスタンディングオベーションに応えてヘルメットを脱いだときに、我々は「はっ」とさせられるのだ。

その「白髪」は残酷な時の流れを感じさせ、そして彼がそれをものともせずに日々成し遂げてきたことの凄みを示している。本当に、なんという男であろうか。

イチローはいまだに史上最高級の野球選手である。しかし考えてみてほしい。我々は、イチローを失ったのだ。しょうがないことだが。イチローの素晴らしい記録を記念して、今回は私の古いコラムを紹介したい。2001年4月、イチローがマリナーズに入団したときにしたためた、喪失感あふれる一編である。




イチローは遠くにありて思ふもの(2001年4月)


すでにマリナーズのユニフォームが何の違和感もない彼。 テレビ画面からも、「涙ぐんでがんばってる日本人」臭がしないのが、さすがである。当然のようにメジャーに溶け込んでいるのが、憎い。シーズンに入っても気負いなくプレイするだろう。いつもそうしてきたように。テレビの中のメジャーな彼は、いつも身近に感じたあの彼と同じ人間という気が、しない。さびしい。

そう。もうグリーンスタジアム神戸に行っても、彼はいないのだ。

完全に、圧倒的に、ゴミ箱のふたを…

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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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