南 郁夫の野球観察日記(1)
いつでも観られる?! 関西ダービー、掛布vs田口

2016年4月18日(文・写真/南 郁夫)



神戸市営地下鉄「総合運動公園」を降り、美しき「グリーンスタジアム神戸」(あくまでこう呼ぶ)を横目に、ひたすらまっすぐ歩道を歩く。これがもうひとつのプロ野球「二軍」への道である。やがて右手にゴルフ練習場のようなオリックス二軍球場「神戸サブ」が見えてくる。

観客は多くはないが、阪神戦となると話は別。二軍ならしょっちゅう「関西ダービー」が見れちゃう、この事実。そこに鳥谷はいない。糸井もいない。華やかさはないっ(きっぱり)。でも同じユニフォームの選手たちが青空の下で躍動しているのだ。二軍の魅力を紹介しよう。



1)やたら間近に野球が観られる
グラウンドが異様に近く、笛太鼓がない。常に「しーん」とした環境で、「かーん」、「ばすっ」、「しゅるる」、「ぴゅっ(スプレーの音)」という「野球音」付きの試合観戦が「かぶりつき」で楽しめる。

2)勝った負けたはどうでもいい
阪神の二軍が負けたから不機嫌、なんて課長さんはこの世に存在しない。球場の雰囲気はとにかくゆるい。野球そのものが楽しめる。観戦の原点がそこにあるのだ。

3)いちおう。。プロ野球である
無名の選手たちも、地元では誰もが知る「どえりゃあ野球がうまい奴」である。そのプレイはやはり「野球だけ」人生のクォリティっ。次の日には一軍に抜擢され、そのままブレイクするかもしれない。そのドラマを見届けたい。

4)けっこう有名選手が見られる
「諸事情により」一軍有名選手が見られるのが、「ごほうび」的要素。静かな球場も、彼らの登場時には地味にどよめく。がしかし、そのまま二軍に永住という選手もいないではない。9月の試合ともなると、うっかり彼らの「現役最後の姿」を見てしまうことも。二軍観戦のスリリングな一面である。

前置きが長くなったが、そろそろ(二軍の)関西ダービーを見つめよう。阪神は掛布、オリックスは田口、なんといっても新監督が話題だ。



あっ。あの甲高い声が聞こえてくる。レジェンド掛布は、相変らずベルト(とその下?)をいじりながら、悠然としている。さすがの存在感。スポーツ紙の二軍取材が増えたのは、フロントの思惑通りなのであろうか。

一方、田口はといえば、まだレフトを守れそうな体つきで現役感満点。両手を後ろポケットに突っ込むスタイルも含めて、敬愛するカージナルス元監督・ラルーサを意識しているに違いない。ソウ!彼は「上を目指している」のだ。(オーナーの学閥と)現在の一軍の状況を考えれば、「悲観的な農家のおじさん」みたいな一軍・福良監督との交代はけっこう早いかも。

監督のオーラに負けじと、選手たちは懸命にプレイしている。観客の選手を見つめる目も、生暖かい。平和だ。ぜひ球場でお気に入りの選手を発見してほしい。そして彼が一軍に上がったときに、ちょっと「あれな」人と思われようが「二軍のころから・・」と遠い目で語ってほしい。周りの「普通のファン」には引かれるかもしれないけれど。

あ。そうそう。選手名鑑は必携です。
たとえば阪神の背番号123が誰かなんて誰も。。え?知ってる?
あなた、相当「あれな」ファンですね。








オリックス・バファローズのファーム情報…http://www.buffaloes.co.jp/farm/
阪神・タイガースのファーム情報…http://hanshintigers.jp/farm/




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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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