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元・神戸のソムリエが実践する淡路島の有機農業とは
『哲学するレストラトゥール』

2017年5月18日(取材・文/K!SPO編集部)



 著者の橘 真さんは、神戸を代表する伝説的なフランス料理の名門として一時代を画した[レストラン・ジャン・ムーラン]のソムリエであり、闊達でフレンドリーな店として人気を博したワインバー「ジャック・メイヨール」の店主だった方です。
その後、フランス・イタリアのワインや野菜の生産地を視察研修の後、ワインの輸入卸業務店を経て、2009年に淡路島に移住。有機野菜の栽培、平飼いの養鶏による飼料の自給、罠と銃による狩猟などを行いつつ、淡路島内外のレストランに野菜などの直接販売を手掛けて、将来的には葡萄の自家栽培による有機ワインの醸造を目指しています。

都市的生活から一転、地方の中山間地に移り住み、「有機農業による自給自足」を選択し、自らの農業を「自然からの贈与に対する責務と返礼」と考えるその暮らしのカタチには、これから縮小していくのが既定路線であるこの国で生きるための知恵が隠されているように思います。

哲学する? レストラトゥールって? 一見難しそうなタイトルですが、橘さんが淡路島で自然と向き合いながら実践する自給自足の暮らしについての、さまざまなな思いや考察が綴られています。
農業、食、暮らし、レストラン、街…私たちが生きていくことの意味、暮らすことのアイディア、次世代に向けた希望がこの本に詰まっています。ぜひ、じっくり読んでいただきたい一冊です。




そして、著者の橘 真さんによる対談イベントも開催予定!
本書の内容を元に、自らの農業と暮らしへの考え方、独自に辿る手づくりの哲学と思想のカタチについて橘さんがお話します。
聴き手は、情報誌『ミーツ・リージョナル』の元編集長で、『街場の大阪論』や『いっとかなあかん店、大阪』『大阪的』の著者である江 弘毅さんです。

住ムフムセッション「『哲学するレストラトゥール』を書いたワケ」
日時:6月29日(木)19:00〜20:00 
会場:グランフロント大阪(北館)ナレッジキャピタル4階 住ムフムラボ
参加無料
予約不要







『哲学するレストラトゥール』
自給自足の有機農業で実践する「贈与への責務と返礼」

著者 橘 真
ハードカバー単行本 232ページ
定価 1,800円+税
発行元 ブリコルール・パブリッシング 2017年5月18日発売
http://bricoleur-p.jp



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