認知症とは「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態」を言います。しかし認知機能の全てが障害となっているわけではありません。認知機能は具体的には、注意力・見当識・記憶力・空間認識 力・計画力・抑止力・言語能力などの要素に分類されています。
認知症と同じように問題になっているお子様の発達障害や、交通事故などで高次脳機能障害になった方々に対しては、どの認知機能が衰えていて、治療や訓練でどの程度回復しているかを測定する仕組みがあります。例えば、空間認識力が衰えると左側が見えなくなります。更に注意力が衰えると標識を見落とすので、車の運転をすると事故の確率が高くなります。私たちは、この考え方を認知症に応用する事が、本人も周りの方にとって解りやすいと考えました。
身体の不自由な方は、自分も回りの方も具体的にどこが不自由であるかが解るように、単に認知症という言葉で診断・治療・対応をするのでなく、○○の認知機能が衰えている障害がある方という表現の仕組みが必要ではないでしょうか。 |