南 郁夫の野球観察日記(67)
平成最後の!神戸でのプロ野球を見てきた

2019年4月22日(文/南 郁夫、写真/トモ)



4月18日(木)、今年のオリックス神戸開幕試合である日ハム戦は、ほっともっとフィールドでの「平成最後の」試合となった。ここで野球を見ないと始まらない私にとって、これが実質の開幕戦。若手の台頭で激変しつつあるチームを目撃しに、いざ球場へ。

ほっともっとフィールド神戸(グリーンスタジアム神戸)の完成は、バブル末期の昭和63年。翌年の平成元年からは阪急を買収したオリックス(ブレーブス)が準本拠地として、平成3年からはブルーウェーブとなって本拠地として使い始めたわけで、まさに平成という時代をオリックス球団はこの球場で駆け抜けたのである。ここ最近の使われ方は、寂しいが…。

その間、ほんっといろいろありました。
なにせ平成の31年間、個人的にも当然めまぐるしく、大震災あり、優勝があり、復興あり、球界大激震・合併あり、チームの名前はコロコロ変わり、本拠地が大阪に移り…なぜかバファローズとなり。世間は移ろいゆくけれど、この美しい球場だけは、変わらず野球本来の魅力を教え続けてくれたのである。のんびりと。



芝生の匂いを感じ、頬に風を感じ、舞い上がるボールの先の空を見つめ…。屋根のない球場は、野球にまつわるいろんな情感を「五感」に伝えてくれる。ドーム球場は、勝敗しか伝えない(気がする)。そしてこの31年間、目の前のグラウンドを駆け巡った数多のプロ野球選手たちの栄枯盛衰を考えると、なんだか温かい気持ちにもなる。

考えるだに、恐ろしい数の試合を、ここで私は見ている。平成元年にオリックス・ブレーブスを見て以来。イチローそしてブルーウェーブ全盛期を見た。胴上げも見た。劇的サヨナラ勝利も、ボコボコにやられた試合も見た(どちらかといえば後者を数限りなく)。でも私は、石毛・レオン時代ですら愛している。この球場でやっている野球なら愛する。この球場のファンだから。

ちなみにここで実際に目撃した名シーンベスト5は

1 悲願の地元胴上げの瞬間、あわやというほど降下してきた報道ヘリの爆音
2 藤井の代打逆転満塁サヨナラホームラン着弾直後の、雨中のライトスタンド
3 ブラウンの大暴投がスタンドの椅子にぶつかった瞬間のマック鈴木のあきれ顔
4 極寒3月ナイターで延長サヨナラ逆転勝利したのに数十人しか残ってなかった観客
5 試合前守備練習の最後に見せるイチローのバックホーム

その間、チーム名もだが球場の呼称もくるくる変わった。日本の野球場初のネーミングライツで「Yahoo!BBスタジアム」(平成15年)になって以来、「スカイマークスタジアム」(平成17年〜)、「ほっともっとフィールド神戸」(平成23年〜)。まあ、私には永遠に「グリーンスタジアム神戸」だが。ここでトリビア。

平成16年、ソフトバンクがホークスを買収したのでさすがにYahooはまずい、てことで1年だけつけられた仮称は?
答えは、なぜか「神戸球場」。「グリーンスタジアム神戸」じゃないんかい!(たまにこの球場のことをめんどくさがって「神戸球場」と呼ぶ年寄りがいるが、あながち間違いではないということか)


さて。オリックスを見守ってきたこの球場の平成最後の試合は、今年からハムに移籍した金子とオリッの新世代・山本の投げ合いという、劇的な展開。ま、結果は金子のほぼ完璧な内容で日ハム勝利となったが、これはこの球場で成長して美しい投球を何度も見せてくれた金子への、球場からの餞別であろう。この勝利で12球団全てから勝ったことになる金子には、これからも頑張ってほしい。この球場ではそんな、優しい気持ちになれるのだ。


新生・オリッにも見せ場はあった。新人・パンチ頓宮とラオウ杉本の痛烈な連続ホームランが、次々と夜空に吸い込まれたのだ。そんな光景を見れただけで幸せである。冷たい夜風は体にこたえたが、それも野球の一部。だから野球記憶は体に染み込んでいくのである。いつものように美しいフィールドを照明で輝かせながら、この球場の平成最後の試合は幕を閉じた。ふと見上げると、満月。









令和の時代のオリックスの課題は、ただ一つ。この「どんな瞬間も絵になる」素晴らしい球場の有効活用である。年間13試合くらいでは、あまりにももったいない。野球界にとっての大きな損失だし、神戸を愛する者にとってあまりにも寂しい。ブルーウェーブ復刻ユニとかするんなら、神戸でやりましょうよ。体育館みたいなドームじゃなくて。大人の事情でそうもいかないって?ああ一体、どうすれば。

そうだ。あの先生に、なんとかしてもらうわけにはいかんのか?

前日も三宮で目撃情報があった、あの「イチロー」先生がその財力を持ってして愛着のある神戸にオリッを呼び戻す! のが無理なら新球団「神戸ブルーウェーブ」を作って球場名を「グリーンスタジアム神戸」に戻す!

これが私の「フィールドオブドリームオブ令和」である。オネシャス。




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南 郁夫 (野球観察者・ライター)
通りがかりの草野球から他人がやってるパワプロ画面まで。野球なら何でもじっと見てしまう、ベースボール遊民。あくまで現場観戦主義。心の住所は「がらがらのグリーンスタジアム神戸の二階席」





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